上岡龍太郎のダウンタウン漫才論
上「僕、漫才のファンなんですよ。ダウンタウンの」
松「そうなんですよ。師匠は僕らの漫才をあんまりスカしはりませんよね」
上「(ダウンタウンの)漫才好きなのよ」
…中略…
上「この二人(ダウンタウン)はノックさん(横山ノック)みたいに、ハゲてるとかタコやとか、人身攻撃ではあんまり笑いの取れるタイプやないから。その点、損は損やね」
松「損ですね。キャラクターがいまいちなかったですからね」
上「だから、いわば紳助・竜介みたいなね」
松「ええ」
上「竜介(松本竜介)より、浜田くんのほうが上手いから。ツッコミが。それが多少救いになっているね。多少、やけどね」
浜「おい」
(浜田笑う)
松「なるほど。いやホント、それはそうですよ。僕も全くその通りやと思いますけどもね」
上「でも、松本くんの面白味っていうのは、ツッコミがないことにはおもろないのよ。あの漫才の笑いはね」
松「あの、花月に出ていましてね、浜田が来なかったときが何回かあるんですよ。そういうとき、吉本は厳しいですからね、ひとりで出ろって言うんですよ。その普段やってるネタを漫談でやったんですけどね、一個もウケませんでしたね。ひどかったですね」
(浜田笑う)
上「ただ、二丁目なんかではややウケますよ。客がツッコんでくれるから。気持ちでね。それが吉本のうめだ花月の客だと、まあ八割は"なんやソレは?"言うたら終いやからね」
***解説***
1989年放送。
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